みなさん、昨年夏に掲載した「歌舞伎観劇の巻」の、サポーターズ会員で歌舞伎俳優・澤村伊助さんについて覚えていますか?
今年も澤村さんの東京公演があるとうかがいましたので、事務所の他のメンバーを押しのけて、応援するために東京公演を鑑賞してきました。今後行ってみたい!と思っている会員の方のために突撃レポートした感想をご報告させていただきます。
ところで、歌舞伎についてみなさんはご存じですか?
私は恥ずかしながらうろ覚えだったので^_^;、ヤホー、いやヤフーで事前ににわか勉強をし(400年前からの伝統芸能などなど)、東京公演に行きました。
公演は3幕。
「菅原伝授手習鑑」、「双面水照月」、「与話情浮名横櫛」の3つで、目的の澤村伊助さんの出番は、「与話情浮名横櫛(よわなさけうきなのよこぐし)」、最後の作品のお富役です。
歌舞伎初心者の私にとって、内容をよくわからないまま長い間鑑賞するのはツライと思い、会場で貸し出していたイヤホンガイド(補聴器式ガイド)をゲット!ヨシヨシこれで完璧と座席につきました。
会場は女性の方が多く、男1人で来ている人はほとんどいません。私の席の両隣も女性。少し小さくなりながらの鑑賞です。
当初、3幕で4時間は長いなーと思っていた私も、舞台で演じる役者さんの表情、表現や声に圧倒され、はじめから引き込まれるように鑑賞。イヤホンガイドだけではもの足りず、1幕目が終わると当日パンフレットも購入。休憩時間に見どころなどを事前チェックしちゃいました。
そうこうしているうちに最後の「与話情浮名横櫛」、伊助さんの出番です。大店の質屋和泉屋の一番番頭、多左衛門のお妾さん役で、はじめから登場です。男性の私から見ても女形の伊助さんは非常に艶っぽく、細やかなしぐさの一つひとつがとても女性らしく見えます。また、ちょっとしたコミカルな演技にはクスッとした笑いもおこります。「伊助!」と絶妙なタイミングで客席から掛け声も入ります。周りを見渡すとお客さん全員が舞台に集中しているように感じられました。そんな伊助さんを「ガンバレー」と心の中で応援しつつ、私自身も舞台に引き込まれ、あっという間の4時間でした。甲子園では新潟代表が決勝戦まで勝ち上がり感動をもらいましたが、澤村さんの夏の舞台からはさわやかな清涼感をいただきました。
なお、伊助さんが主役のお富を演じるこの作品、たびたび上演される歌舞伎の代表的な演目であり、たいていの人は「お富さんへ、いやさお富、久しぶりだなあ」という有名なせりふをご存じのことと思います。(せりふを聞くまでわからなかったのでお恥ずかしい話です。)
最後にただ1つ心残りだったのは、幕間の休憩時間に焦ってしまい適当に弁当を買ってしまったことです。“隣りの芝生は青い”と言いますが他の方が食べているお弁当は非常においしそうでした。作品の鑑賞だけではなく幕間の休憩時間も歌舞伎なのだということも心に刻み帰途についたのでした。